外国人と生活をしていると多くの戸惑いをお互いに感じる時がある。特に食事中である。我々はそばを食べる時はズッズーと吸い込みながら食べる。熱いお茶や味噌汁もフーフー吹きながら吸い込む。
欧米人は熱いそばを食べるのが苦手である。それを「猫舌」というが、我々は空気と一緒に熱いそばをさましながら吸い込む。彼らは音をたてないように、巧みに口の中にポンと放り込むように食べる。
食事中に音をたてるのは欧米のマナーでは厳禁である。スープを飲む時もスプーンでスープを口の中に流し込む。日本人はスプーンを口までもっていくのは同じであるが、そこで流し込まずに吸っている。だから、音が出る。コップの水も同じで、欧米人はあごを上に向けコップをかたむけて水を流し込む。最後には顔が天井を向くくらいにして、コップをかたむける。我々は顔はそのままで、コップを少しかたむけて水を吸い込む。
欧米では食器はテーブルの上に置いたまま持ち上げることはない。ナイフとフォークで口の中に入れる。手で持ち上げるのは飲み物のコップだけである。日本ではご飯も味噌汁も小鉢も手で持って食べる。ホームステイの学生の多くは、ご飯の茶碗は手に持たないで食べる。だから、食べ終わってもまだご飯が茶碗の中にいっぱいくっついている。きたならしい食べ方にみえる。でも、慣れない箸で食べるのである。食事は楽しく・おいしいのが一番大切である。